ずきん、と胸が痛むのがわかった。

陽太が目の前で、笑莉を呼び出して2人でこそこそ話しているところを見てしまった。

引きつる顔でそのままいこうとすると

≪べしっ≫

話を終えてわたしの後ろにいた裕に雑巾を投げたのだが、それがわたしに直撃した。

「おわ、二見ほんとごめん!」
「…」

わたしは無視した。
もやもやいらいらする。

わかってる。ただのやきもちなんてことくらい。

でもね、少しでも気にかけてほしいって思っちゃうんだ。

「二見、ごめんって」
謝り続ける陽太を無視して歩いてると、もちろん裕やその他の男子たちに「あーあ、二見怒らせたな、どんまい陽太」とからかわれる始末。