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<バシッ>
「っえ」
まさかの相手は陽太と神田。クラス違うのに組むとかありかよ…!しかもこの2人は駄目だって…。
「神田が相手…!?そんなのめっちゃ緊張するじゃん…!!」
案の定笑莉も動揺してる様子だ。そりゃそうだ。空振ったりしたらめちゃくちゃ恥ずかしいもん。

結局は接戦まで持ち込んだが負けてしまった。
「なんかここまで来たら悔しい…」
笑莉と2人で余韻に浸りつつ嘆く。
「次、なーちゃんだよ」

「なーちゃん、がんばれ!」
なーちゃんと沙月ちゃんうますぎるだろ…。あっという間に点をぽんぽん取っていっていた。
「二見危ない!」
<バシッ>
声をかけられると同時にそっちを向くと、陽太がバスケットボールをキャッチしていた。
どうやら隣でバスケをしていたらしく、ボールが誤ってこっちに飛んできたのをかばってくれたらしい。
「怪我ない?大丈夫?」
「え…。あ…」
そのまま走り去っていってしまった。
「陽太かっこいーね」
笑莉が言う。お礼すら言えなかった。
なんで?わたしが話しかけた時は素っ気ないのに、なんで助けてくれるの?なんで自分が話しかけてくるときだけ普通なの?
顔が火照るのがわかった。同時に気付きたくない想いに気付きそうになる。

ねぇ陽太。
わたしは君が…。