残された私の脳内を彼の声が木霊し、徐々に怒りから照れに変わりだした。

魅力的だって…
ふふふ…えへへ…と、照れ笑いが止まらない。

私は、普段からハイヒールを履いて歩いているせいか、程よく筋肉がお尻と足につき、引き締まっていて、自分なりにお尻は小尻で魅力的だと思っていた。

今回は、自分の失態を収める為に、お粗末な物だと咄嗟にでた言葉で、微塵も思っていなかった私は、初めて褒められた事に浮き立ち、先程の自分の失態は忘れ気を良くして足取り軽くエントランスを出た。

時間をロスしたはずが、時間がないという焦りもなく、会社に向かった。

株式会社 [KZ]創業者の頭文字から名付けなれた家具メーカーは、2代目の現社長の手腕により、安くて質の良さを売りにし、今では日本全国に支店を持つまでに急成長した。

私は、運良くそこの本社に就職でき、総務部に所属している。

総務部といっても、役職を除いて花形の受付を担当する3人の女性達と縁の下の力持ち的な何でも屋を担当する5人に別れていて、童顔で、そこそこの顔『自分がそう思っているだけだが…)の私では、花形の受付としては役不足で、総務で各部署からの依頼を受けている。