私の手を掴んで自分の口から引き離し、そのままなぜか彼の手は、トレーナーの裾から悪戯に入ってくる。

「誰が聞いてくるんだ?」

「わかんないけど、…聞かれたら…付き合ってるって、私は言うよ」

肌をなぞる手のひらがくすぐったくて、身動ぎながら答えたが、ちゃんと聞き取れてたらしく、朝陽は嬉しそうに頬を緩めている。

「ゴチャゴチャと余計なことで悩んでたくせに、強くなったな」

「うん、自分でもそう思う。でもね、それは朝陽が彼氏だから、信じられるし、一緒にいて大好きって気持ちがどんどん大きくなるの。だから、あれこれ言われないぐらい、朝陽に相応しい彼女になろうって思わせてくれたのは朝陽だよ」

「…愛しいって思う気持ちは、こーゆーことを言うんだな…惚れ直した」

真顔で言う唇とは正反対の朝陽の手は、わざと私の感じるポイントをなぞってくる。

「ちょっと、手…」

「んっ?」

「惚けてないで…、やっ、信じられない」

片手でブラのホックを外して、意地悪く笑っている。

「お仕置き足りなかったんだろ?」

「そんなこと言ってない」

「そうだったか?まぁ、惚れ直させるぐらい俺を煽ったんだから仕方ないよな…」