俺は、その質問に、思考が停止しそうになるのを必死で止めた。
(人狼の家に、又来る?…
俺がいくら、優しい人間のお母さんの教育によって、人を食べようなんて、一ミリも思わないからって…
マズイ…だろ?…普通に考えて…
でも、此処を気に入ってくれたみたいだし、気持ちを無下にするのは良くないし…
俺は、どうすれば…)


(こう言う時、それこそ、お母さんならどうするんだ…)


『別にお礼なんて、気にしないで下さい』
俺は、気持ちを無下にせずに、何とか断ろうとした。
すると…

『じゃあ、遊びに来ても良いですか?』

無知で純粋な少女は青と水色のグラデーションが綺麗な瞳を輝かせてそう言った。

『分かりました。良いですよ』

こんな事を言うつもりじゃなかったのに…
気付いたら、口から自然に、さらっと出てきた言葉だった。
本当は…
人狼と出くわしたら危ないだとか、不自然じゃない理由を何か、取り繕って言えば良かったのに…
何でだろう…?




分からない。