世界で一番、不器用な君へ



「大和先輩っ!」


先輩の、優しい大きな手にバトンを渡す。


お願い、このまま走り切って…


私は肩で呼吸をしながら指を組んで祈る。


「実行委員、ペースを落としません!はやい!はやい!そしてっ」


実況が白熱し、歓声が最高潮になる。


「ゴールッ!!!優勝は、体育祭実行委員です!!」


「やっ…た…!」


先輩が、笑顔でガッツポーズをする。


…よかった、先輩の笑顔が、見れた…