世界で一番、不器用な君へ



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ついに、この日が来た。


憎たらしいほどの青空は、最高の体育祭日和を示していて。


始まってもいないのに、もうすでに緊張している。


「一花、ぼーっとしてないで椅子並べろ」


そう言って涼しい顔をして蓮は椅子を並べる。


実行委員は朝早く来て最終準備を行っている。


昨日の放課後もかなり追い込みをやった。


だから正直あまり二人三脚の練習はできていない。


「なんで蓮はそんな余裕そうなのっ」


私は半分八つ当たりで蓮の肩を殴る。


「別に、二人三脚なんて余興だよ、余興」


飄々とした顔で相変わらず腹の立つ、、、