***


放課後、部活が終わってから少しだけ部室の整理をし、着替えてから体育館に戻る。


そっと隅に座って、蓮の練習を見る。


これが最近の日課だ。


蓮は帰ってもいいって何回も言ったけど、でもやっぱりアイスおごる約束だし。


それに、蓮がバスケをしているところを見るのは好きだ。


バッシュが床に擦れる音も、力強くボールが床を弾く音も、ゴールネットをくぐる気持ちのいい音も大好きだ。


「帰るぞ」


1時間ほどして、蓮はいつもそう言う。


蓮が着替えてるあいだに施錠と鍵の返却をして校門でまつ。


「あっちぃ」


「お茶いる?」


「ん」


私は自分のペットボトルを渡す。


相当喉が渇いていたのか、蓮は勢いよくそれを飲んだ。


「さんきゅ」


「ねえ、蓮」