「そっか、一花は蓮と一緒がよかったんだな」


ぽん、と慰められるように頭を撫でられる。


「ちっちがいます!変な誤解はやめてください!」


私は、先輩と一緒になりたい。ただそれだけなのに。


「…私は、少しでも…先輩の役に立ちたくて」


今はこれが限界だ。恥ずかしくて、顔が見れない。


「…ありがとう、お前には助けられてばっかりだな、ほんと」


「そんな…」


次の瞬間、先輩の顔がぐっと近づく。


「俺も、一花と一緒にできて嬉しいよ」


耳元で聞こえた先輩の声、鼻をかすめた先輩の香り。


突然のことすぎて、動けない。頭が、回らない。


そんな私の気持ちなんてつゆ知らず、先輩は少しふざけたように秘密な、と口パクをする。


先輩、無自覚すぎますよ…