「はい、じゃあそれぞれ行きたい部門に分かれて。多いところは話し合いかじゃんけんで決めてくれ」
大和先輩の声とともに、生徒たちは自分の所属したい部門に分かれ始める。
私はすぐに大和先輩のいる委員会対抗二人三脚部門に。
2年は…少ない。よし。
1年は大変さを知らないが故、体育祭実行委員になりたい人がまず多い上にやる気もある。決めるのに時間がかかりそうだ。
2年になると大変さを知っているから楽な方に行こうとする。救護部門の人数が溢れかえってるのはそれが理由だ。
部活対抗リレーやこの二人三脚のように数少ない競技の部門は大変で、人気もない。その上委員会対抗二人三脚は新設だ。
「一花、これにしてくれたんだ」
大和先輩に話しかけられ、私は頷く。
「あれ、蓮は?一緒じゃないのか?」
「知りません、あんなヤツ。責任者の先輩目当てで救護部門に行きましたよ」
無意識にトゲのある言い方になってしまう。


