世界で一番、不器用な君へ



私は慌てて叩いてしまった蓮の背中をさする。


「…ほんっと都合いいやつだな。いいか、キャプテンはたしかに総務だけど、今年は新しい試みで委員会対抗の二人三脚をやるらしいんだ。それの責任者も、キャプテンがやるって聞いた」


「じゃあ委員会対抗の二人三脚の係やれば…」


「キャプテンと一緒にできるってこと」


「しかもそれって試合にも実行委員代表で出るってことだよね?あわよくば私とキャプテンが二人三脚のペアに…」


「残念だったな、ペアは同学年同士だ」


希望をへし折られて私はうなだれる。


でも…


「じゃあなにがなんでもやらやきゃ!蓮、私のペアになってくれる…」


「死んでもヤダ」


「…え?」