世界で一番、不器用な君へ



「蓮?行かないの?」


「え、あ…」


行くよ。


行かないと、キャプテンに見られる。


キャプテンは、多分お前のこと気に入ってるから。


もし恋じゃなかったとしても、きっとお前が告白したら、そういう目で見る。


予感がする。


きっと、うまくいくって。


だから俺は。


「頑張れよ」


笑って、見送る。


「うん!」


俺はそっと、掴んでいた手を離した。