「ねぇ、結愛?さすがにここまで来て逃げないから、もう部活行きなよ」



結愛が疑うように目を細めて私を見定める。



「いい。颯くん先生に引き渡してからにする!病院が絡むと梨央は信用ならん!」



はぁー、ダメかぁ。



結愛がいなければ、逃げ出せるのに。



また痛いことされるのかな?



嫌だな…




急に大人しくなった私が心配になったのか、結愛が優しく話しかけてくれる。



「梨央のことが心配なんだよ。お願いだから無理しないで」



わかってる。



わかってるよ、結愛。