それでも君を

「熱も高いし、この全身状態じゃ、検査しなくてもA型っぽいけどな。よし、水沢に慰められているうちに俺が採血してあげようかな〜」



「お願いします」



「お任せください」



私を置き去りにして勝手に話が進んでいく。



なんかもう今更真ちゃんから離れる気にもなれない。



恥ずかしいとか思う元気もない。



パチンと颯くんが手袋を装着する音が耳に届いた。



「梨央〜、腕だけこっちにちょうだい。おっけー、駆血帯巻くよ」



颯くんの指がぷにぷにと血管を探る。