それでも君を

「ちょっと待って…なんだか僕の方が怖いんだけど」



検査する側も怖いらしい。



「麻酔かけれたらいいのに〜…。ふぅ〜。うん!いくよ!すぐ終わるから動かないでね。3、2、1…」



「やっ、いたっ、ゴホッゴホッ」



心拍数がぐんっと上がったが、パニックになる前に検査は終わった。



「はい、おしまい!よしよしよし、いい子だったね!」



咳き込んでしまったため、褒めながら背中をさすってくれる。



頑張ったことを肯定されて、抑えていた気持ちが溢れてきてしまう。



目に溜め込んでいた涙がポロッと流れた。