それでも君を

「んで、はい。これ咥えてて」



テキパキと動く真ちゃんにされるがまま、付属品の綿棒を口に含んだ。



「まだ熱でて間もないんだよね?出るかな?」



「ん〜どうだろう?」



発症してすぐは検査薬に反応しないこともあるため、その心配をしているようだ。



「もういいかな?あーんして」



指示されるまま口を開けると、含んでいた綿棒が回収されていく。



慣れた手つきで薬液と混ぜ、キットに数滴垂らす。



ピピピピッ



真ちゃんの手捌きを眺めているうちに体温計が鳴った。



取り出して確認すると、38.6℃だ。



横から真ちゃんが覗き込む。