それでも君を

「あ、そういえばインフルとコロナの簡易キット残ってたかも。待ってて、体温計も取ってくるよ」



私がベッドから抜け出してやろうとしていたことを、真ちゃんが先回りして進めてくれている。



戻ってきた真ちゃんは途中で入手してきたらしく、マスク姿だった。



気休めの感染対策らしい。



「あったよ〜。電気つけるね。はい、体温計」



渡された体温計を受け取り、脇に挟む。



ひんやりと冷たく、また身体が震えた。



そんな私の肩に真ちゃんがさりげなくカーディガンをかけてくれる。



「これ羽織って」



用意周到である。