「そう…」



途端に不安な気持ちが襲ってくる。



颯くんはいったいどこまで伝えたのだろう?



暫く戻ってこなかったのは、そのために違いないと今更ながら確信する。



心がザワザワと騒ぐ。



「梨央、どこをどう触られたのか教えてくれる?」



そのストレートすぎる質問に思わず喉がゴクリと鳴った。



普通に問診でもするような声色で尋ねてくる真ちゃんが今どんな表情をしているのか、顔を上げて確認する勇気は私にはない。



ただ、隠したいことは隠そうと思うほど隠せないものらしい。



右手が独りでに動き、何かを隠すように左の首筋を手のひらで覆った。



「ええっと…」



なんて答えようか…