それでも君を

ふたりがどこへ行ったか知らないが、時間は有限である。



あとで必ずしわ寄せがくるのだから、やれることは今やっておくべきかもしれない。



そんな考えに至り、無気力な体に鞭を打って立ち上がろうとしたその時、扉が開いて真ちゃんが戻ってきた。



「サイズ大丈夫そうだね」



真ちゃんが戻ってきたので、診察室の簡易ベットから1センチ浮かせた腰を元通りに沈める。



「うん。ありがとう」



「…颯くんは?」



戻ってこないもうひとりを探すように扉へと視線を向ける。



「しばらくふたりにしてくれるらしいよ」



何気ない口調でそう伝えながら、真ちゃんが私の隣へと腰を下ろした。