それでも君を

もうすぐ3分かな…?



他愛もない会話を水沢先生と交わしながらも、自ら提案した手前時間が気になる。



ドキドキも落ち着いてきたし、もういつでも大丈夫そう。



そう安心していたのも束の間、おもむろに水沢先生の手が首回りに伸びてきて、ドキッと反応してしまった。



「まだ熱いですねー」



えっ、なんでドキドキするの?



まさか本当に薬の副作用?



それとも…



いや、ないないないっ!



「あっ、そろそろいいですか?」



腕時計を確認しながら、問われる。



「えっ、あっ、ダメっ!」



「ん?ダメ…?
やっぱり何か変ですよね。ごめんなさい、ちょっと失礼します」



そう言って手首を掴まれる。



振りほどこうと思えばできたかもしれないが、脈をとられた瞬間に固まってしまい、あっ、と思ったときにはもう遅かった。



あーあ、終わった…