それでも君を

「あ、青城です。水沢手空いてるか?…うん、うん、それ終わってからでいいから外来寄ってくれる?…あー、うん、そう。あ、あとさ、女性用のスクラブかなんか持って来てくれない?うん、はい、よろしく」



PHSを左胸ポケットへと片付けると、颯くんも椅子に腰を下ろした。



「はぁ…」



珍しくため息が漏れている。



考え事でもしているのか、背もたれに身を任せ、上を向いて目を瞑っている。



ピピピピッ



少し静かにさせてあげたかったのに、空気を読まない体温計は、こんな時にでも計測の終わりを元気よく私たちに教えてくれた。



取り出して、こちらを観察する颯くんの方へと差し出す。