それでも君を

見てはいけないものを見た看護師は、慌てて診察室から出て行こうとする。



「すみませんっ!失礼しましたっ!!」



「行かないでっ!お願い!…助けて!」



行かせてはいけないと思い、必死に叫ぶ。



チラッと後ろを振り返った彼は、まるで興味がないとでも言うように視線を元へと戻し、今度は私のシャツを引きちぎる。



「や、めっ…て!」



異様な場面を目の当たりにして固まっていた看護師だったが、意を決したように思いっきり息を吸って大きな声で助けを呼んだ。



「誰か!誰か来てください!!」



どうか誰かの耳へと届きますように。



声を張り上げ終えると、私の方へと素早く近寄り、上に覆い被さる男を引き離そうと手を貸してくれる。



はだけた胸元へと顔を埋めていた男は、さすがに顔を上げ、その看護師を投げ飛ばした。