それでも君を

そんなことなくはない。



あなたのせいで疲れてるんですよ。



言葉に出せたらいいのだけれど、心の中で唱えるのが精一杯だ。



「そんな先生も好きですけど」



また何か言っているが、反応しないのが一番だとここ数日で学習した。



外来が始まってしまえば、一生懸命手を動かさざるを得なくなる。



ありがたいことに、余計なことを考える余裕もなく、バタバタと時間は過ぎていった。



「お大事にしてくださいね」



「ありがとうございました」



本日最後の患者さんを扉まで見送って、時計を確認する。