それでも君を

「立川先生にしなくていい採血しちゃったの僕なんです…!」



やっぱり…



ほんっっとうにすみません!と廊下の真ん中で頭を下げられる。



「いやいやいや。いいから頭をあげて?」



何事かと通り過ぎる人達が振り返って見ていく。



「…あっちで話そ?」



さすがに悪目立ちしすぎだ。



そう思ってまだ話足りなさそうな顔の彼を廊下の端へと誘導する。