それでも君を

「なにこれ、どうなってんの?」



部屋の中ををざっと見回したあと、床に座り込む私を見つけて躊躇いなく近づいてくる。



「いやっ!来ないでっ!!」



私が泣き叫んでもお構いなしだ。 



「来ないでってば!!」



腕からさっと駆血帯を外し、自分が汚れるのも構わず抱きよせ、暴れる私を力強く包み込む。



「大丈夫大丈夫」



「いやっ…」



「大丈夫だから」



「はぁはぁはぁ…」



熱と恐怖と泣き叫んだことによって息が上がっている私を抱きしめたまま、辛抱強く声を掛け続ける。



「ゆっくり深く呼吸しよう。大丈夫。うん、そうそう、上手だよ」



私が少し落ち着きを取り戻したのを確認して、颯くんが指示を飛ばした。