それでも君を

その言葉を聞いて、水沢先生の顔がぱっと明るくなる。



いや、だから、分かりやすすぎるでしょ…



「出来る限り、頑張ってみます!」



早速先生が準備に取り掛かる。



その間に看護師さんが脈やら血圧やらをテキパキと計測していく。



私はというと、されるがままだ。




「じゃあ、まず消毒しますね」



ひんやりとした液体が腕に触れるのを感じた途端、身体が反応して緊張が全身を駆け巡る。



「念入りに消毒しないといけないので、まだリラックスしてて大丈夫ですよ」



なにやらいつもと違う採血の様子に不安が募る。



「なに…?なにしてるの?」



いつもならすぐ針を刺されるはずなのに、水沢先生からはまだそんな気配は感じられない。



「いつもの採血と同じですよ。ただ、血液の中にバイ菌がいるかどうかを調べたいので、外を念入りに消毒してるだけです」