急激に熱が上がったお陰で、気分も最悪だ。



息苦しいし、気持ち悪い。



「少しさわりますね。」



額に触れた水沢先生の手がヒンヤリと冷たく感じる。



少し気分が落ち着くような気がして、そっと目を閉じた。



「寒いの治まってきました?一度お熱測りましょうか。」



言われるがまま渡された体温計を挟む。



体温計のあまりの冷たさに身体がブルッと震えた。



ピピピッ



意識がぼんやりとしていたのか、一瞬で鳴ったような気がする。



「40.5℃…」



水沢先生が絶句している。



あぁ、なんだ。体温計が冷たいんじゃなくて、私が熱いだけじゃん。



「検査しないと、いけないよなぁ…」



よく分からないけれど、先生が呟いたその言葉からは嫌な予感しか感じられない。



何やら周りはバタバタとしているが、当の本人はさっぱり事情が分からないままだ。