「そう、だったかも…?ねぇ、もう一回聴いてみてもいい?」



先生の見解を聞くと、自分でも確かめてみたくなり、再び聴診器を貸してとおねだりする。



「何回も診察すると患者さんに嫌がられちゃいますよ~。」



そう笑いながら聴診器を手渡してくれる水沢先生。



確かに聴診終わったばかりなのに、もう一回と言われても私は絶対嫌だと言うだろうな…



「確かに。でも先生からするとちゃんと確認したいだけってこと、なのかも…?」



「そうですね。患者さんのためにも正しい診断をしないといけませんから。」



なるほど。ほんの少しだけ先生達の気持ちが分かったような気がする。



「肺の音を聞くにはこの辺りに当てたら良いですよ。」



水沢先生の指導の通りに聴診器を当ててみると、確かに息を吸うときに少しだけバリっとしたような音が聴こえたような気がした。