「えっ!いいんですか?」



自分で言っておいてビックリしている水沢先生がなんだか可愛らしく思える。



「ふふっ、変な先生。」



「変でしょうか?」



変と言われたのに少し嬉しそうなのは私が診察を受け入れたからなのかな?



「気持ちが辛くなったら言ってくれていいですからね。」



私から聴診器を受け取り、慣れた手付きで診察を始めた水沢先生の所作を私は黙って見つめる。



へえー、そんなところに当てるんだ。



今まで気付かなかったな…



いつもはガチガチに緊張してしまうのに、今日は先に自分で聴いたからか、緊張することなく受けることが出来た。



さらに言うと、まさかって感じだけど、ちょっとだけ楽しいとさえ感じている。



先生はこの音をなんて表現するんだろう?