それでも君を

「え、よく分かんないけど…ドクンドクンとか、ゴウゴウとか聴こえる、かな、、」



感じたままのことを言葉にすることしかできなかった。



「不思議な感じですか?こんなの聴いて何が分かるの?って思います?」



「うん、思う。先生にはどんな風に聴こえるの?」



「それは聴いてみないとお答えできませんね。僕も聴診してみてもいいでしょうか?」



完全に水沢先生のペースに巻き込まれている。



こんな先生初めてだ。



本当に変わった先生だと思う。



けれど不思議と嫌だとは思わなかった。



自分でもビックリだけれど、気付いたときには「うん」と首を縦に振っていた。