メッセージを打ち終え、私の視線に気づいた彼女が私を見つめ返してくる。


「そんな顔して睨んだってダメだよ。梨央が自分でちゃんと言わないのが悪いんでしょ。」


正論だ。



正論だけど、私にも私の事情というものがある。



「別に行かなくても大丈夫なのに。薬もまだ残ってるし。」



「梨央の大丈夫は当てになんない。」



「そんなこと…」



「あるでしょ。」



そんなこと“ない”と言おうとしたのに、あっさり結愛に言葉を取られる。



あぁ、もう。



結愛に言いくるめられっぱなしのイライラに、身体のダルさも相まって、もういいやと机に突っ伏す。



本当は颯くんの元へ行かなければならないことは自分が良く分かっている。



ズキズキと疼く頭を抱えながら、段々と気分も悲しくなって、休み時間が終わるまで私はそのまま顔を上げることが出来ないでいた。