それでも君を

「じゃあ計るのやめとく」



「それだと自分でも高いことが分かってるって認めたようなもんだな」



それは…



颯くんの鋭い指摘に返す言葉がない。 



「計っちゃいなよ、梨央ちゃん!」



森谷先生が口を挟む。



「どっちにしても、3日で退院できるような状態じゃないって分かってるんでしょ?」



さっきまでふざけていた森谷先生が、いきなり真面目な意見を投げつけてくる。



「でもっ…」



「でもじゃない。さっさと計って」



呆れた様子でため息をつかれる。



颯くんにそんな顔されては、もう抵抗できない。



渋々体温計を脇へと挟んだ。