それでも君を

「はぁ…またこの部屋ですか」



右腕に刺さった点滴を見つめながら、ボソッと呟く。



呟いたところで、私の愚痴を拾ってくれる人は今この部屋には誰もいない。



病室に一人、ベッドに身体を沈めると同時に、気持ちもずーんと沈んでいく。



研修医とはいえ、仕事を途中で投げ出して休む形となってしまったことが悔しい。



申し訳ない気持ちで心が潰されそうだ。