それでも君を

「さっきの麻酔に比べたら、大したことないだろ」



「そうじゃんー♪なーんにも感じないかも!」



そんな訳ないと思うけど。



本当に呑気な人である。



そうこう言っているうちに、いつのまにやら駆血帯が巻かれ、颯くんは血管を探っている。



「ちょっと我慢なー」



そんな声かけと共に消毒される腕。