それでも君を

颯くんの白衣を握りしめ、必死に痛みに耐える。



「ラストー!」



森谷先生からの容赦ない掛け声。



「もぅやめて…!」



「梨央、これで最後だから。頑張れ」



颯くんからの慰めも、なんの力にもならない。



結局、抵抗虚しく施される麻酔。



「痛い痛い痛いーーー!」



もうそれだけで、ぐったりだった。