それでも君を

「ちゃんとみて。これが自分の患者さんだったらどうする?」



そう言われて、ゆっくりと顔をあげる。



鏡の中には腫れ上がった自分の腕が映っていた。







出来ることなら痛い処置はしたくない。



けど…



もう抗生剤で治るようなレベルでは…



ない、よね…



目を逸らしたくなる気持ちに負けそうになりながらも、しっかりと顔をあげて颯くんの両目を捉える。