それでも君を

「本気で言ってる?」



「えっ…」



「抗生剤で様子見って本気で言ってんの?」



「え、あの…」



颯くんがこちらへと近づいてくる。



圧倒的な颯くんの雰囲気に思わず目を逸らしてしまったが、当の本人は気に止める様子もなく、私の後ろへと回り込んで背中へと手を置いた。



そのまま後ろから背中を押されるようにして、鏡の前へと誘導される。