「いやいや、颯くん待って!そこまでしなくても大丈夫だよ!」



必死に何か良い案がないかと頭を巡らせながら、颯くんにやめてほしいと訴える。



「ほっといても治んない」



「そうだねぇ〜」



のんびりと会話に加わる森谷先生のことは、今のところ一旦無視でいいだろう。



「ほ、ほらっ!抗生剤内服で様子見とかさ!」



その言葉を聞いた途端、颯くんの手がピタッと止まる。



静かに振り返った颯くんは、今日一番怒っているようにみえた。