「ちょっと、やだ!やめて!」



「水沢先生、刺しちゃっていいよ。」



「わかりました。」



「嫌だって言ってるじゃん!」



私の訴えも虚しく、淡々と準備が進められていく。



「梨央、落ち着けって。痛いの一瞬だから、頑張ろう。」



そうこうしてる間に水沢先生が刺す位置を決めたようだ。



ひんやりとした消毒液の感覚が腕に伝わる。



「ごめんね、ちょっとだけチクッとします。」



水沢先生のその言葉と共に腕に針が刺さる。



「んっ、、!」



「はい、終わりです。頑張りましたね。」



水沢先生も誉めてくれるタイプらしい。



だけど…



「やだって言ったのに!みんな嫌い!」



やりたくなかったんだという気持ちの方が、今は勝ってしまっている。