それでも君を

香織をひとまず椅子に座らせながら颯くんが私の質問に答える。



「今そこの奥で点滴してる。熱はちょっと高いけど、まぁ心配ないよ」



そっか。颯くんがそういうなら安心だ。



香織に体温計を渡して計測するように促した後、颯くんが私にこっちと手招きする。



それに従って、荷物を置いて颯くんへと近づく。



「その前に…」



すぐ側まで寄ると、颯くんの手が私の首元へと触れた。



「おまえは大丈夫なんだろうな?」