国家試験が段々と近くなってきて、実習の合間に試験に向けての勉強をすることが多くなった。



今日もひとり、黙々と自習に励む。



すると、隣の席に何やら疲れた様子で腰掛ける人影が、チラッと眼の端に映り込んだ。



「お疲れー。」



ノートから顔を上げずにその人物に声をかける。



「…うん。」



あれ、元気がない…



歯切れの悪い返事をして机の上に突っ伏す彼女。



そんな彼女を放っておくことが出来ずに、手を止めて様子を伺った。