それでも君を

「放ってはおけない、かな。やっぱり楽にしてあげたい、治してあげたいって思っちゃう」



「うん、僕もそうだよ。人に優しくするって、自分が強くなくちゃできないのかもね」



自分が強くないと…?



もしかして、私、自分が嫌なことから逃げてただけ…?



もう少しで、何かを掴めそうな感じがする。



「それに、梨央だって、結局最後はいつも頑張ってるよ」



「えっ、そう、かな…?」



「すんなりとはやらせてくれないけどさ、本当に受けなかったことってないでしょ?」



真ちゃん一言多い…



けど、そう言われればそうかもしれない。



なんだかんだ励まされたり、誤魔化されたり、不意を突かれたりして、乗り越えているような気もする。



「だからそれでいいんだよ。患者さんに寄り添って、励まして、それで頑張ってもらう。梨央もそうしてあげたらいいよ」