今日は私も後ろめたいことはないし、颯くんも怒ってないから安心して颯くんに近づくことが出来る。



怒っていなければ白衣を着てはいても、昔から知る優しい颯くんだと頭が認識してしまい、ついつい甘えたことが口からするっと出てしまう。



「ねぇ颯くん、毎回血液検査するのやめようよー。」



近づいていって、白衣をちょっと引っ張りながらお願いする。



「なんで?検査大事なんだよ?梨央頑張るってこの前言ってたじゃん。」



「そう、なんだけどぉ…」



実はこの間も検査やりたくないと言って、颯くんを困らせたのだ。



その結果、言いくるめられて頑張ると言ってしまった訳で…



「これは譲れないよ。検査しないと俺だって梨央の体調把握できない。医者は魔法使いじゃないからね。」



ピシャッと言い切られて心の中の戦意が一瞬にして萎んでいく。



……じゃあ、



「じゃあ、あのお薬やめちゃダメ?」