検査を乗り越え、なんとか颯くんの診察室の前まで漕ぎ着けた。



あとは、颯くんに会ってお薬をGETするだけ。



しばらく待つと、前のスクリーンに私の受付番号が表示され、中に入るよう促される。



もう採血も終わってるし、痛いことはないはずなのに、なぜだか緊張する自分を奮い立たせて診察室へと進んだ。



遠慮がちに扉を開くと、いつもの颯くんの笑顔が見えてほっと気が緩む。



「梨央、いらっしゃい。今月も検査頑張れて偉かったな!」



ちゃんと検査を受けると、ちゃんと褒めてくれる颯くんが大好きだ。



この間は怖かったけど、普段の颯くんは割と優しいのである。