それでも君を

怖いに決まってるじゃん…!



何も言わない私を見て、ふっと息を吐き出すと、ベッド横にしゃがむ颯くん。



私と目線を合わせ、声をかける。



「ここ頑張んないと明日行かせてあげられないぞ?」



怒っているわけでも、呆れているわけでもなく、優しい声だった。



颯くんが私に優しくするということは、頑張らないといけない、ということだ。



「それは、分かってる」



元からそういう約束だ。



はぁーっと息を吐き出して心を落ち着けた後、覚悟を決めて颯くんに告げる。



「頑張るっ…」



私の決意にうん、と答えて颯くんが再び準備へと戻る。



駆血帯が巻かれ、腕を消毒される。



刺す場所が決まったらしい。