それでも君を

「はい。…うん、わかった。ありがとう」



素早く通話ボタンを押し、受け答えをしているのは颯くんだ。



通話が終わるとPHSを元あったポケットへと戻しながら、こちらへと言葉を投げる。



「血液検査の結果出たって」



その言葉を聞いて、真ちゃんが颯くんの操作するパソコンの方へと駆け寄っていった。



じっとモニターをみつめるふたり。



「えっ、Hb4.7!?」



小さな声だったが先に言葉を発したのは真ちゃんだ。



「これは…予想以上ですね」



予想以上ということは、真ちゃんも予想はしていたらしい。



「そりゃあ息苦しいはずだよな…」



珍しく颯くんも少し動揺しているように見えなくもない。



なんて、他人事のようにふたりの様子をベッド上から観察していた私だったが、颯くんがこちらを振り向いて発した次の言葉に、ぐっと胸が詰まってしまった。



「こんな状態でよく頑張ってたよ。…辛かったな」