それでも君を

「あとで血液検査の結果を見てから説明するよ」



結果待ちということみたいだけど、すでに颯くんにはこの息切れの原因に心当たりがあるように見える。



すごいなぁ…。真ちゃんも分かってるのかな…?



「心電図、恥ずかしかったら“真ちゃん”にやってもらうか?」



ニッと笑ってそんなことを言う颯くん。



また颯くんにからかわれているのだ。



「ちょっ、青城先生、僕まで苛めるのやめて下さい」



真ちゃんが慌てて口を挟むが、さっきと同じ言葉が返ってくるだけだ。



「水沢も、可愛がってるって言ってほしいんだけど?」



真ちゃんにまで素敵な笑顔を向ける颯くん。



私も真ちゃんも颯くんに立ち向かっていくなんて100年早いようだ。