それでも君を

「ど、したの?ゴホゴホッまだ4時だよ?」



「他の患者のことで呼び出された帰りだよ。誰かさんが咳き込んでるのが聞こえたから覗いてみたんだけど…寝れないのか?」



こんな時間に…



颯くんも大変なんだなぁ…



「寝れないというか、ゴホッ、さっき起きたところ」



「随分早起きじゃん」



「まぁ、ね」



軽口を叩いてはいるが、颯くんが既に医者モードなのは雰囲気から伝わってきている。



「咳、気になるな。ちょっと診ようか」



ですよね。そうなると思ってた。



「うーん…」



まあ、今ナースコール押そうか迷ってたくらいだからいいんだけど、診察自体は嬉しくない。



「なにその返事」