それでも君を

先生が心配そうに背中を擦ってくれる。



さらにあいていたもう一方の手で、繋がれていた点滴をストップさせた。



「我慢しないで、全部出しちゃっていいから」



「はぁっ、ごめ、ん」



「謝ることじゃないよ。辛かったね」



吐き終わったタイミングで看護師さんが吐き気止めを届けに来てくれて、私が吐いた後の片付けや、うがいの準備などをしてくれた。



まだ少し気持ち悪いけれど、大分楽にはなった気がする。



ただし、その代償に喉は痛いし、体力も大きく削られてしまったけれど。