「怖い癖に、意地を張るな。」

見抜かれていた……。
鋭い目と目が合うと一気に冷静に戻ってきた。

「ごめんなさい…頭冷やします。」

難波さんが部屋から出たと思ったら、
お茶を持ってきてくれた。

「ちゃんとシャワー浴びろよ?
また明日、おやすみ。」

彼の背中を見送った私は、お茶を飲みひと息つく。


「…何やってんだろ、私。」

湯のみに涙が1滴、落ちた。

ーーー
"難波さんは私を保護してくれた人…"

"ふーん?それだけぢゃない匂いがしたけど。"
ーーーー

閉じてたはずの感情の蓋は、

もういつの間にか簡単に外れてしまいそうな所まで来ていた……。